2018.12.1−12.23■原田要 展

原田要 展
会期:2018年12月1日ー12月23日
12:00−19:00(最終日17:00まで)
休廊日:月・火・水
 
『絵画の庭-達磨壺』について
私は長らく「絵画の庭」というタイトルで、木材に色彩を施した立体作品を制作してきました。立体作品でありながらも絵画作品である、 として作り続けています。ただしその絵画のあり方は、一般的な絵画の姿とは大きく違っているかとは思います。四角くて平らであるキャンバスなどの タブロー表面を離れ、曲面であっても表面さえあれば絵画は成立し、色彩=色材が華麗に繰り広げられるに足る表面を如何に形作るかというものです。その姿を 追い求め、木を彫り進み、その表面に色彩を繰り広げながら、自分なりの絵画を模索し続けてきました。
今回メインとなる「絵画の庭-達磨壺」も、中は空洞であり、おもに青色で全面が彩られています。逆に外側は白色に塗られていますが、これは青色の面が絵画を 担い、白色の側がその裏側であると考えています。青く塗られているとはいえ、上部の口以外はほとんど実見することはできません。しかしもし、全体が柔らかなもので 出来ているとするならば、口の部分からぐいっと引き延ばし、一枚の青い表面=絵画面を見ることができるでしょう。
とはいえ、今回の作品は立体的要素が多くを占めています。実はどのような作品にするのか、なかなか決まらず、そんな時アトリエにあった洞(うろ)のある丸太が目に とまりました。それが今回の作品の上部にあたります。とりあえずここから繋げていきながら形作ることだけ考えて作り始めました。長く繋げるか、それとも広げるか、いろいろ 思案しましたが、いつの間にか大きな塊となってきました。それはまるで郵便配達夫のシュヴァルが、道端でつまづいた小石をきっかけに、あの巨大で奇怪な理想宮を造り上げた 、そんなイメージかもしれません。したがって、この形には特に意味はありません。しいて言えば、上部の口からブウっと息を吹き込んで膨らんだような、内部からの力を感じる かたち。どこか自然でいて奇妙なものとして、見ていただければと考えています。