2014.6.2−6.14■林嘉一 展

■略 歴

林 嘉一/HAYASHI Yoshikazu

 その陶製のコースターを見たとき、これも答えのひとつなんじゃないかと思った。
 そこには、花と思しき形が単純化され不規則なパターンとして浅く掘られ、上から不透明な釉薬が掛けられた結果、掛かり具合によって模様が出たり埋もれてたりしていた。
 かなり単純化されているので、花であっても幾何学模様であってもどちらでもよかったし、フリーハンドで掘られた形や不規則なパターンは、数学的な美しさからも離れていた。
 つまり僕はその形に、存在していること以上の意味をほとんど見出せなかった。

 僕はこれまで具体的な形象を画面に持ち込むことを極力避けて来た。
 でも、この世界に既に存在している形に依らない感覚を伝えるのに、「ない」で表現するのではなく、最小限の「ある」で表現した方が、それが呼び水となりより上手く伝わるのかもしれない。

 今回はそのひとつの試みである。


【個展】
2003 Oギャラリーeyes(大阪)('04,'05,'06)
2006 Gallery Den(大阪)('07)
2008 Gallery Den 58(大阪)
2010 2kw Gallery(大阪)('11,'12,'13)
2013 ギャラリー アトレオ(大阪)

【グループ展】
2001 三人展「3/3」(神戸アートビレッジセンター、兵庫)
2003 第14回関口芸術基金賞(柏市民ギャラリー、千葉)
   県展(兵庫県立美術館王子分館、兵庫)
   井谷 菜々×林 嘉一
   “Daydream believer?自律する光の記憶”(gallery coco、京都)
2004 トゥールビヨン2 part1 桜井 麻美 + 林 嘉一(Oギャラリーeyes、大阪)
   シェル美術賞展2004(代官山ヒルサイドフォーラム、東京)
2006 ART WAFERS?21世紀絵画の重層性?(CASO、大阪)
   uneasiness W(信濃橋画廊、大阪)
   Visual Sensation vol.2(Gallery Den、大阪)
2007 百花繚乱(兵庫県立美術館ギャラリー、兵庫)
   シェル美術賞展2007 受賞者コーナー(京都市美術館別館、京都)
2011 2kw変電所計画(2kw Gallery、大阪)
2013 worldmaking ”100年前の空”より(2kw Gallery、大阪)

【受賞】
シェル美術賞展2004 尾崎信一郎審査員奨励賞

【2kwでの過去の展覧会】
2013.05.20−06.01
2012.05.28-06.9
2011.06.13-06.25
2010.5.17-5.29