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北中且子/KITANAKA Katsuko
2kwgalleryでは北中且子が縦横に引かれた線描の絵を展示しています。
厚手の用紙に広告等のパンフレットを張り付けジェッソ等を塗って下地を作り、
そこに線を主体に作画してゆく。所々、印刷の文字が微かに透けて見える。
オイルバー、クレヨン等を使い描画する。またそれを削り、粗い粉にして指で引き延ばす。
その線は何を目指しているのだろうか。それは明らかな意味を示さない。
だから具体的な形には至らない。ではどこに行きつけばその線は動きを止めるのか。
描く事は空間の発生、密なる場所の創出、そして物が語り出すことを企図する。
しかし彼女の作品には、物が空間に溶け込み、濃密な場が定着される。
それ以上のことは語らない。ただ、そこに見る者が入り込む余地を残しておく。
描く事が生きてきた事、これからも生きてゆく事、それが全てを語っている。
そんな展覧会をお楽しみください。
2kw Gallery