2016.8.29-9.10■奈良田晃治 個展 光を計算式にいれて

■略 歴
奈良田晃治/NARADA Koji
 
光の速度を二乗して、質量をかけるとエネルギーの値が導き出せる。
E=mc2、相対性理論の帰結らしい。
相対論の本を読んでいると、時間や空間なども、計算可能なもので
光の性質が世界の根本的なものと同じ次元にあるということが面白くて
初めて新書で読んだ時は一気に読み進めた。
なんせ光の速さに近づくにつれ、時間は遅くなり、物質は重たくなるという。
速いとは聞いていたけど、世界の仕組みを規定するものだとは。
 
5月の骨董市は日差しがとても強くて、テントの陰に並べた
品物の奥で、みんな今年の暑さについておしゃべりしていた。
何年か前に登った青森の山の湿度が高く霧がかったイメージは
のぼる前に雨が降り続いて落ち葉や樹木が濡れていたせいで、
普段はそうでもないのかも知れない。
アトリエで左手を見て描く。
 
描くという過程の中に含まれる、記憶やイメージ、色彩と線、
筆跡、スタイル、技法、マチエール、偶然性、身体性。
そこにいろんな要素を代入して、積み木みたいに組み上げて、
試験管の中に放り込んだりして、宝物のようなものができたら嬉しい。
 



1982年 大阪生まれ
2006年 大阪芸術大学 芸術学部 美術学科 卒業
 
-個展-
2009年「昨日はどこへ行ったのやら」(Gallery Den)
2010年「いつも誰かに手紙を書いてた」(2kw gallery)
2011年「歩く音を聴いてる」(2kw gallery)
2012年「森のことを呟く」(2kw gallery)
2013年「天気の悪い日」(2kw gallery)
2014年「風景の湿度」(2kw gallery)
2015年「Foreigners」(KOBE STUDIO Y3)
2015年「うつらうつらと旅をする」(2kw Gallery)
 
-グループ展-
2004年 Art Camp in CASO (海岸通ギャラリーCASO)
2005年 Art Camp in Kunst-Bau (Gallery Yamaguchi Kunst-Bau)
2006年 チャンウォンアジアアートフェスティバル (韓国・昌平)
2008年 シェル美術賞 (代官山ヒルサイドフォーラム/京都市立美術館)
2010年「IE」展 (Gallery morning kyoto)
2011年 Worldmaking(2kw gallery)
2012年 尼崎アートフェスティバル(アルカイックホール/尼崎市)
      Season(海岸通ギャラリーCASO/大阪)
2013年 2kw変電所計画(2kw gallery/大阪)
      Visual sensation Vo.5(Galley Den mym/京都)
2014年 膜をほどこす(橘画廊/大阪)
      Doppel Pack(海岸通ギャラリーCASO/大阪)
2015年「バランスのとり方」(2kw gallery,2kw58)